2401現代に生きる日本刀の文化
現代に生きる日本刀の文化
昭和42年卒業 (第2回生)
鈴木 俊一 (宮城県塩竈市在住)
この世界的な惨禍となるコロナ禍も3年になろうとしています。東北学院大学工学部機械系卒業生の「機械TG会」会員の皆様方も各方面において活躍され、また第一線をお引きになられても、なお社会活動、社会奉仕などに参加、寄与されておられる事に同窓生の一人として誇りに思い、改めて敬意を表したいと存じます。
さて数年前となりますが、ある会合にて機械TG会幹事の三島千明氏と40年ぶりに再会した事から、先輩、後輩としての旧交を懐かしむ機会に巡り合わせ名刺交換となりました。その時に差し上げた名刺が「宮城県美術刀剣保存協会 会長」であった事もあり、またそのことがきっかけとなり機械TG会金野会長はじめ役員の皆さんからご挨拶をいただく事にもなり、このほどの「日本刀」に関する講演会開催の運びとなりました。
伝統美術工芸品を代表する「日本刀」は、奈良、平安時代から数百年もの長い間、家の、心の柱として父祖、先人たちが大事に護り伝え、現代に至っております。
時代の大きな変わり目となった明治維新と先の大戦は、日本史の上でも大激動であり「日本刀」にとっても受難の時となって大きくその数を減らす事となりました。
特に先の大戦の後、新たに「銃砲刀剣取り締まり法」が制定され、各家庭で隠匿保存されてきた「古式鉄砲」「日本刀」は全て登録しなければならないこととなりました。しかし現在まで登録手続きが行われた「日本刀・鉄砲」は、宮城県では48,000点、全国的には250万点を数えておりますが、今に至っても未登録の数は多く、現在の登録点数以上に上るとも考えられます。
さて、私たちの暮らしの中には今も「日本刀」にかかる言い回しや表現が数多く残り、毎日使われています。「研ぎ澄まし」「身から錆」「反りが合う」「しのぎを削る」「切羽つまる」「元の鞘」「目貫き」など枚挙に暇がありません。このことは今もなお「日本刀」に対する潜在意識があり続けている事を示しているのではないでしょうか。
このほどの講演会におきましては、名刀の数々を皆様にご披露し、実際に手に取っていただき「日本刀」に親しんでいただきたいものと考えております。
「機械TG会」総会講演会にては、皆様にご挨拶できます事を楽しみに致しております。
会員の皆様、並びに同窓生の皆様方のさらなるご健勝、ご発展をご祈念申し上げます。